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最高裁判所第一小法廷 昭和28年(す)510号 決定 1953年10月15日

主文

本件請求を却下する。

理由

(決 定)

被告人末光靖孝にかかる建造物侵入被告事件につき勾留中の同被告人から当裁判所に対し勾留理由開示の請求があったが、刑訴八六条の規定の趣旨に徴すれば、既に一度勾留理由の開示がなされたときはその同一勾留の継続中は重ねて勾留理由の開示を請求することを許さないものと解すべきものであるところ、記録によれば本件勾留については既に第一審において同被告人の請求により勾留理由の開示がなされていることが認められ、当審において現になされている勾留はその同一の勾留が継続せしめられているものであること明らかであるから、裁判官全員一致の意見で左のとおり決定する。

(裁判長裁判官 入江俊郎 裁判官 斎藤悠輔 裁判官 岩松三郎)

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